2017年05月07日 - さかえのよ

(潮)映画「チャーリーとチョコレート工場」のビート-1

チャーリーとチョコレート工場
05 /07 2017
※映画のネタバレしてます。
※この記事にあるジャンルやビートは、私が「save the cat」という脚本術の本を参考に分けたものです。断定的に書いてはいますが、練習ですので間違っている可能性が十分にあります。ご了承ください。
※ジャンルやビートの説明については、このブログでは特にいたしません。ご自身でご確認ください。
※ジャンル分け記事同様、ビート分け記事も個人的なメモ要素が高いので、意訳になっていたり、映画を見ていないと解らない表記もあると思います。そのへんはもろもろお許しを。
※◇がビートです


*****




題: チャーリーとチョコレート工場(原題: Charlie and the Chocolate Factory )
ジャンル: 相棒愛
主人公: ウィリー・ウォンカとチャーリー
主人公が倒すべき敵: ウィリー・ウォンカの持つ父親像


この映画は、ジャンル判別に迷いました。
というのも、チャーリーとウォンカ、どちらが主人公なのか迷ったからです。
原作の児童書では、主人公はチャーリー。
でも映画化するにあたって、ウォンカのストーリーが追加されている。
恐らく、このウォンカストーリーをやりたかったから映画化したんだろうと思うので、映画自体はウォンカのほうが主人公といえる内容になっています。

save the cat では、主人公の条件としてこのようなものがあります。

1、設定された状況の中で一番葛藤する
2、感情が変化するのに一番時間がかかる
3、楽しんでもらえる客層の幅が一番広い

まぁ、3は置いておくとして。
チャーリーには、1も2も当てはまりません。
1にも2にも当てはまるのはウォンカのほうです。

もしチャーリーが主人公なら、ジャンルは「主人公が変化しないタイプの、おバカさんの勝利かも?」といった感じです。
逆にウォンカが主人公なら、ジャンルは「条件に全部あうし、間違いなく人生の岐路だろう」といったところ。
でもなんか、どっちもしっくりこない。
映画を観ていると、どう見ても二人ともが主人公のような扱いなんです。
色々考えてみたところ、消去法で「相棒愛」かなーとなりました。

相棒愛の条件が、とりあえずは一番合ってるような気がします。

1、何かが欠けている、「不完全な主人公」
  …チャーリーは家族大好きド貧乏、ウォンカは金はあっても家族恐怖症

2、その主人公が人生を完全なものにするために必要な「片割れ」
  …互いが一緒になれば、どちらの問題も解決できる

3、二人を引き離している「複雑な事情」
  …「家族への思い」がまったく違うので、お互いを遠ざける要因になっている

実はティム・バートン監督の映画で、ビート仕分けをやめた作品があります。
仕分け作業するにあたって、やはり迷いが生じたからです。
この人の作る映画って、もしかするとガチガチのハリウッド方式じゃないのかもしれません。
おとぎ話みたいの多いですし。
個人的には好きなんですけど。


***


◆第1幕

◇OPイメージ
 @町はずれの掘っ立て小屋に住んでいる、ド貧乏なチャーリー・バケツ一家


◇セットアップ
 @チャーリーはどこにでもいるごく普通の男の子
 @突出した特技などもなく、家庭はド貧乏
 @だがチャーリーは、世界で一番幸運な子供である
 @チャーリーの家族は、チャーリー、両親、父方の祖父母、母方の祖父母、の計7人
 @その全員が毎日キャベツのスープしか食べられない貧乏っぷり
 @チャーリーの父は歯磨き粉工場で働いているが、給料はよくない



 @祖父の一人、ジョーじいちゃんは昔、ウォンカのお菓子工場で働いていた
 @ジョーじいちゃんの話によると、ウォンカはお菓子作りの天才
 @チョコだけで宮殿を作ったり、溶けないアイスや、味のなくならないガムを発明するなど、ほかのお菓子会社とは一線を画す天才ぶり
 @だがそのうち工場の従業員にスパイが紛れ込むようになり、ウォンカはお菓子作りのレシピを盗まれるようになる
 @あまりにレシピを盗まれたので、ウォンカはある日突然、従業員全員を追い出し工場を閉鎖、製造も停止してしまった



 @もう永久に閉鎖されたかと思われたが、またもある日突然、工場は再稼働する
 @だが、誰かが工場を出入りしている様子はない
 @ウォンカも工場から出てくることはない
 @一体だれが工場でお菓子を製造しているのか、それは誰にも分からない状態となる
 @今のウォンカ工場は、謎の工場なのだ


◇テーマの提示
ジョーじいちゃん「わしゃなんだって差し出すよ、もしもう一度だけあの中に入って、あの不思議な工場を見て回ることができるなら」
ジョージじいちゃん「そりゃあダメだ、不可能じゃ。誰にもな。謎の工場はいつまでも謎のままなんじゃよ」
ジョージナおばあちゃん「この世に不可能なことなんかないのよ、チャーリー」


◇きっかけ
 @突然、ウォンカの工場から、「5人の子供たちを工場に招待します」というニュースが発信される
 @しかもそのうちの一人は豪華賞品がもらえるという
 @工場への招待状はきっかり5枚のみ、ウォンカ工場から発売される板チョコの中に包装されているとのこと
 @この大ニュースを機に、世界中でウォンカの板チョコが完売
 @世界にたった5枚の招待状をめぐり、大騒ぎする人々


◇きっかけに対する賛成と反対
 @招待状を欲しがってワクワクするジョーじいちゃん、同意するチャーリー
 @チャーリーが板チョコをもらえるのは年に一度、誕生日だけ。誕生日は来週

ジョージじいちゃん「チャーリーは1年にたった1枚しか板チョコをもらえないんだぞ、当たるわけがない。当たるのは毎日チョコを食ってるようなやつじゃ」
ジョセフィーヌばあちゃん「チャンスは平等にあるわ」

※)この先、5枚目の招待状が見つかるまで、チャーリーたちは期待(賛成)とがっかり(反対)を何度か繰り返す



 @そうこうするうち、次々と世界のどこかで発見されていく招待状
 @招待状を手にした子供たちが紹介されるたび、「嫌な子だねぇ、いけすかないねぇ」と顔をしかめるチャーリーの祖父母たち
 @招待状を見つけた子供たちは…

1枚目、オーガスタス
 食欲旺盛、毎日チョコばっかり食べている肥満児。
 毎日大量にチョコを食べるので、招待状を手にすることができた。

2枚目、ベルーカ
 親が社長でお金持ち、なんでも欲しがるお嬢様。
 招待状を欲しがる娘のために、父がチョコを買い占め、従業員を使って包み紙をむかせ、招待状をゲットした。



 @ここでチャーリーも誕生日の板チョコをプレゼントしてもらえる
 @あんな嫌な子たちに当たるなら、いい子のチャーリーにだってきっと……そんな思いもあってだろう、家族全員が期待したものの招待状は入っていなかった。ハズレ
 @残念がる家族だが、チャーリーは悔しい顔は見せない
 @心優しいチャーリーは家族が止めるのも聞かず、たった1枚しかない板チョコを家族全員に分け与える
 @ありがたく味わう腹ペコの家族たち



3枚目、バイオレット
 とても野心家の金髪少女。
 色んな選手権に挑戦し、とにかく優勝しまくっている。
 勝利にこだわるタイプで、今はガム噛み記録に挑戦中だが、それを中断し、招待状のために板チョコに切り替えた。
 5人のうち1人だけがもらえるという賞品は必ず自分が手に入れてみせる、と公言している。

4枚目、マイク
 テレビゲーム狂いの荒々しい少年。
 アタリの入ったチョコがどこで売られているかは計算で簡単に割り出せる、バカでも分かる、と偉そう。
 たった1枚板チョコを買っただけで、招待状を手に入れた。
 チョコは嫌い。



 @とうとう、招待状は残り1枚に
 @世間ではチョコレートが飛ぶように売れたため、虫歯になる人が続出
 @そのためチャーリーの父が務める歯磨き粉工場も売り上げが上がり、歯磨き粉生産が機械化されてしまう
 @おかげでチャーリーの父は失業



 @ジョーじいちゃんは、なけなしのヘソクリをチャーリーに託し、板チョコを1枚買ってくるように言う
 @買ってきた板チョコをこっそりと二人で開けるが、やはり招待状は入っていなかった
 @がっかり感のすごいジョーじいちゃん


◇第2幕への侵入・選択
 @とうとう5枚目の招待状が見つかったという噂を聞くチャーリー
 @とぼとぼ歩いていると、道端に紙幣が落ちているのを発見
 @その金を持ってすぐ近くの店に入り、ウォンカの板チョコを買うチャーリー
 @店にあった新聞には、5枚目の招待状が見つかったというのはデマ、と書かれている
 @チャーリーがその場で板チョコを開けると、中から招待状が
 @店にいた客たちが「招待状を売ってくれ!」と群がるが、良識ある店主がそれを止め、チャーリーは招待状を持って急いで帰宅



 @招待状には、工場見学の日付、集合時間などが書いてある。工場見学はなんと明日
 @一人だけ連れてきていいという付添人には、ジョーじいちゃんが立候補 
 @また工場の中に入れると大喜びするジョーじいちゃんだったが、当のチャーリーは「工場見学には行かない。その招待状は買いたがってた人に売るよ。うちに必要なのはチョコよりもお金だもん」と言う
 @家族を思う気持ちからくるチャーリーの正論に、魂抜かれたくらい大人しくなっちゃうジョーじいちゃん
 @だが、そんなチャーリーの正論をたしなめたのは、いつも反対意見ばかり言うジョージじいちゃん

ジョージじいちゃん「金は世の中に山ほどある。だがその招待状は、この広い世界にたった5枚しかない。二度と手に入らんものなのだ。そこらにいくらでもある金のために、それを諦めるのはバカだ。お前はそのバカなのか?」
チャーリー「……違います」
ジョージじいちゃん「だったらチョコレート工場に行ってこい!」
チャーリー(嬉しそうに笑う。本当は行きたかったんだね、チャーリー)






つづく




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潮八(姉):発動する人
斑丸(妹):調整する人