(潮)映画「シュガー・ラッシュ」のビート‐1 - さかえのよ

(潮)映画「シュガー・ラッシュ」のビート‐1

シュガー・ラッシュ
01 /11 2017
※映画のネタバレしてます。
※この記事にあるジャンルやビートは、私が「save the cat」という脚本術の本を参考に分けたものです。断定的に書いてはいますが、練習ですので間違っている可能性が十分にあります。ご了承ください。
※ジャンルやビートの説明については、このブログでは特にいたしません。ご自身でご確認ください。
※ジャンル分け記事同様、ビート分け記事も個人的なメモ要素が高いので、意訳になっていたり、映画を見ていないと解らない表記もあると思います。そのへんはもろもろお許しを。
※◇がビートです


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子供向け映画、特にディズニー映画ならストーリー構成もハッキリしてるだろうと思い、一発目にこの映画を選んでみました。
ビートが重なり合っているところもあるのですが、一応は時系列に進みます。
長文になりそうなので、数記事に分けます。




題: シュガー・ラッシュ (原題: Wreck-it Ralf )
ジャンル: 人生の岐路
主人公: ラルフ(レトロゲームの悪役)
主人公が倒すべき敵: ヒーロー願望


◆第一幕

◇オープニングイメージ
ゲーム内でヒーローに倒されたあと、悪役ラルフはマンションの住人に担がれて屋上から落とされる。この状況にとても憤りを感じているラルフ。


◇セットアップ
オープニングイメージと同時進行で、状況説明(セットアップ)開始。
ゲームの悪役だけが集う悪役集会。そこに参加したラルフによる自己紹介という形で、彼の置かれた現状が語られていく。

セットアップ内容…
●ラルフはレトロゲーム「フィックス・イット・フェリックス」の悪役。マンションを壊すのが仕事。
●そのゲームのヒーロー、フェリックスは、魔法のハンマーでマンションを直すのが仕事。
●悪役は倒され、嫌われる役目。だからラルフはこの仕事が好きじゃない。理不尽だと思っている。
●ゲームセンターが閉店すると、ゲームのキャラたちは自由に動き出し、休息に入る。他のゲームへ行くこともできる。
●閉店後、フェリックスはマンションの住人とマンション内で楽しい夜を過ごすが、ラルフはマンション外のごみためで一人さみしく眠る。
●ラルフはフェリックスとうらやましいと思っている。ヒーローになれれば、毎日楽しいだろうなぁ…。


◇テーマの提示
悪役集会で自身の状況を紹介したラルフに他ゲームの悪役たちが助言をする、という形でテーマの提示が行われる。
助言内容が、そのままこの映画のテーマとなる。
この映画が何について語るものなのかが、色々な言い方で示される。

助言内容…
●「俺も『なぜ俺は悪役なんだ? なぜヒーローになれないんだ?』と思ったことがある。でもストレス発散に物を壊してみてわかったんだ。『俺以外に誰が物を壊す? 誰が悪役をやる? 悪役だからって、悪い奴とは限らないだろ?』ということが」
●「役割なんて気にするな。自分を愛さなきゃダメだ」
●「ハートが大事だ」
●「役割は変えられない。早く受け入れたほうが、ゲームも人生も楽になる」
●「今を生きることだ」
●「俺は悪役、ヒーローになれないのは悪いことじゃない。今の自分のままでいいんだ」

このシーンで、他の悪役たちもみんな、同じさみしさを持っていることが推測される。
でもラルフ以外は悪役であることを受け入れている。(または受け入れようとしている)
最後の助言(俺は悪役~)は、みなで輪になって合言葉のように唱えているものなので、悪役たちも自分に言い聞かせようとしているように見える

また、このシーンの途中、「ターボ」という単語が初登場。
「まさかラルフ、お前、ターボする気じゃないだろうな?」
「ターボする気なんかない。友達が欲しいだけだ」
ターボ=とんでもないこと、というのが示される。


◇セットアップ続き
セットアップはまだ続いている。
ゲームキャラの世界は、ゲームセンター閉店後にどうなっているのか。その説明が始まる。

セットアップ内容…
●ゲームセンターの店内ではタコ足コンセントで各ゲーム機がつながっているが、ゲームキャラたちもその配線を通ることで、各ゲームを自由に行き来できる。
●タコ足コンセント内は空港のロビーのような印象。
●各ゲーム内からは物を持ち出してはいけない。持ち込みも禁止っぽい。


☆save the cat
ここで「猫を救う」ラルフ。
「猫を救う」というのは、どんなに悪い奴でも観客が好感を持ったり共感できるようにするのが目的のシーン。
ラルフはタコ足コンセント内で「失業中」のキャラと遭遇し、悪役集会の行われていたゲーム内から盗んできたサクランボを、彼らに分け与える。
大人からは既に共感を得ているだろうから要らないシーンにも思えるが、観客は子供なため「ラルフはいいやつ」であることを印象付ける必要があったと思われる。


◇セットアップ続き
まだ続くセットアップ。

セットアップ内容…
●他ゲームのキャラたちにも、「悪役だー!」と怯えられ逃げられるラルフ。
●自分のゲーム以外で死ぬと復活できない。


◇きっかけ
コンセント内を抜け、自分のゲームに帰るラルフ。
マンションでは住人達とフェリックスが、このゲーム30周年を祝ってパーティー中。
自分もパーティーに参加したいと、会場へ赴くラルフ。
だが歓迎されず、住人達とケンカになってしまう。
ヒーローであるフェリックスは住人たちのように意地悪ではないが、住人たちを守る立場にあるため、やはりラルフを歓迎はできない。

そこに30周年用のケーキが出てくるが、ゲーム内の状況そのままに、フェリックスが住人達とマンション屋上で喜び、ラルフだけが地面で一人ぼっちというマジパンデコレーションがされている。
大いに不満のラルフ。
俺のマジパンも屋上に一緒に載せてやってくれと言うが、住人は猛反対。
「お前はヒーローじゃないんだ!」とラルフを完全否定。

ラルフのゲームでは、ヒーローであるフェリックスが勝利した時、報酬としてメダルがもらえる。
だから住人とラルフの口論はこんな感じになる。

住人「ヒーローはメダルをもらえるが、悪役はメダルをもらえないものだ」
ラルフ「その気になれば俺にだってできる、俺だってメダルをもらえるさ!」
住人「もしお前がメダルを持ってきたら、認めてやろうじゃないか! お前にこのマンション内で一番いい部屋をやろうじゃないか! だがお前には無理だろうな、お前は難でも壊してしまう、壊し屋なんだからな!」
ラルフ「ちがう!」

口論の末、ケーキを叩いて壊してしまうラルフ。
ケーキもパーティーも台無し。
悪役のレッテルが強固になり、決定的に分裂する意見。
ラルフはその場を去る。




つづく


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