(潮)映画「パンズラビリンス」のビート-1 - さかえのよ
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(潮)映画「パンズラビリンス」のビート-1

パンズラビリンス
03 /07 2019
※映画のネタバレしてます。
※この記事にあるジャンルやビートは、私が「save the cat」という脚本術の本を参考に分けたものです。断定的に書いてはいますが、練習ですので間違っている可能性が十分にあります。ご了承ください。
※ジャンルやビートの説明については、このブログでは特にいたしません。ご自身でご確認ください。
※ジャンル分け記事同様、ビート分け記事も個人的なメモ要素が高いので、意訳になっていたり、映画を見ていないと解らない表記もあると思います。そのへんはもろもろお許しを。
※◇がビートです


*****




題: パンズラビリンス (原題: El laberinto del fauno )
ジャンル: 人生の岐路(今回あまりジャンルには自信ないけど消去法でこれ)
主人公: オフェリア
主人公が倒すべき敵: 従わせようとする者(パンや大尉などが象徴する権威)


◆第1幕


◇OPイメージ
 @舞台は1944年、スペイン。内戦は終結したが、山では武装した人々が新たな独裁主義政権と戦い続けていたという字幕
 @鼻血を出して瀕死のオフェリア
 ※本立て式回想という始まり方。なぜ主人公がこのような状態になったのかを、これから語る。映画の最初と最後が現在でその間はすべて回想となるもの。



 @男性の声でナレーションが入る。その内容とは…
 ・昔、大地の下に嘘も痛みもない国があった
 ・その王国の姫は人間になることを夢見て、澄んだ空やそよ風や太陽に憧れていた
 ・姫はある日、国を逃げ出したが、地上に出たとたん光に目がくらみ記憶を失った
 ・自分が一体誰なのか、どこから来たのかも忘れ、寒さや病、痛みに耐えながらやがて姫は死んだ
 ・しかし王様はいつの日か姫の魂が必ず別の肉体に宿り、戻ってくることを信じていた。いつかその時が来るまで、たとえ世界が終ろうとも王様は待ち続けていた


◇セットアップ開始
 @馬車に揺られる主人公オフェリアと母カルメン
 @母は身ごもっていて吐き気をもよおしている
 @オフェリアは絵本を読んでいる
 

◇テーマの提示
カルメン「おとぎ話ね? あなたはもうこんな夢物語を信じたりする歳じゃないでしょう?」


◇セットアップ続き
 @具合の悪い母のために車が止まり、その間、森をうろつくオフェリア
 @不思議な石の欠片を見つけるオフェリア
 @すぐ近くにあった石像の一部(片目)だと分かり、はめこむ
 @すると石像の口からナナフシが登場
 @オフェリアはそれを妖精だと認識する


◇テーマの提示2
カルメン「着いたら大尉にきちんとご挨拶して、お父様と呼ぶのよ。あなたの新しいお父様なんだから変な意地を張ったりしないでちゃんとしなきゃダメよ」


◇セットアップ続き
 @その場を走り去っていく一行の車
 @後を追って飛んでいくナナフシ



 @ヒビの入った懐中時計を見つめ、オフェリアたちの乗る車の到着が「15分遅れた」と言う大尉(オフェリアの新しい父)
 @彼らが駐屯している建物は山奥の製粉所
 @嫁カルメンを割と笑顔で出迎える大尉
 @カルメンの大きなお腹をなでる大尉の右手薬指には指輪がはめられている
 @カルメンのために車いすが用意されている
 @カルメンは大丈夫と断るが、「医者が言うから仕方ない、私のために乗ってくれ」と大尉。カルメン承諾
 @今度はオフェリアが本を両手に抱えて車から出てきて、大尉と初対面
 @割と笑顔でオフェリアを出迎える大尉だが、握手しようと左手を出してしまうオフェリア
 @それを見て奥歯を噛んだ大尉はオフェリアの手をわしづかみにし、「右手を出せ、わかったな」とすごむ。軍人らしくて怖く厳しそうだ
 @怯えるオフェリア



 @メルセデスという女使用人がいることを提示
 @不安でいっぱいなオフェリアの前に、先ほどのナナフシが登場
 @ナナフシを追いかけて、製粉所裏にある石門に入っていくオフェリア
 @石門にはヤギの角を生やした顔が刻まれている
 @その先は迷路のような高い壁と細い道が続く
 @奥を覗き込むオフェリア


◇テーマの提示3
メルセデス「奥は迷宮よ。入らないほうがいいわ、迷子になっちゃうから」


◇セットアップ続き
 @この石門とその先にある迷路のような建築物は、駐屯している製粉所ができるよりずっと昔からここにあった
 @メルセデスが大尉のことを「(オフェリアの)お父さん」と言うと、「私のパパじゃない、パパは仕立屋で戦争で死んじゃったの。あの人じゃない」と反論するオフェリア
 @製粉所へと戻っていく二人を見つめるナナフシ



*****



【ここまでで覚えておきたいこと】
・この物語の舞台には、独裁者とそれに従わない反乱軍の対立があること
・冒頭のナレーションが男性の声であること(調べても分からなかったのですが、もしかすると大尉の声かもしれないので)
・地下王国から逃げたのは姫だったこと
・姫は人間ではないこと
・姫が逃げ出す地下王国は暗いということ
・オフェリアはいまだにファンタジーを信じる少女であること
・大尉の右手薬指に指輪がはめられていること(これは今後も何回も提示される)
・テーマをまとめるとこの映画は「いまだに子供心を忘れないオフェリア(言いつけに従わない者)が、新しい父(言いつけ従わせようとしてくる者)との確執を通して迷宮をさまよう物語」だということ
・オフェリアVS大尉=従わない者VS従わせようとする者=反乱軍VS独裁政権=自由VS不自由=正直者VS嘘つき
・オフェリアが大尉と左手で握手をしようとしたこと
・山、森、大地という単語がこの後も結構出てくること



【大尉の立ち位置について】
気になるところが2点あります。
有力な確認が取れなかったので自信はありません。
そのため、こじつけかもしれません。

1点め。
大尉は右手に指輪をしています。結婚指輪かどうかは明示されませんが、この後も何度も画面に映るのでなんらかの意味があるのだと思います。
そこで少し調べてみたところ、こんな情報が。
スペインでは左手に結婚指輪をはめるのが普通だそうで、その理由はスペインのほとんどの人がカトリックだからだそうです。右手に結婚指輪をするのはプロテスタントだそうです。
もしこの文化が大尉の指輪で示唆されているのだとしたら、プロテスタント(改革運動で分離)VSカトリック(保守派)もメタファーに加わることになるし、一番大事なのは「大尉も実はプロテスタント」という事実になります。

2点め。
冒頭のナレーションも大尉の声に聞こえます。(吹替だと特に)
もし大尉がプロテスタントで、ナレーションも大尉の声だとしたら…?


今回は単なるビート仕分けだけじゃなく、この2点を前提とした解釈を付け加えていきたいと思います。
ビート仕分けもいつもより詳しめになるかも。
よかったら、この前提で映画を見てみてくださいね。
そうすると一味違った物語になります。
私はこの2点を考慮に入れて映画を見ても違和感を感じませんでした。






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